ライトニングネットワーク(Lightning Network)とは、メインブロックチェーンの外で取引を行うオフチェーン取引により送金処理速度の向上や手数料を安価にするために開発された技術のことを指します。
オフチェーンの取引としては「ペイメントチャネル」という技術が既にありますが、これは2人のユーザー間取引のみに適用され、マルチシグを利用することで二者間の取引を完結させることができる仕組みです。しかし、他の人と取引したい場合はまた新たにペイメントチャネルを作成しなければならず、あまり現実的であるとは言えません。
ライトニングネットワークはこの問題を解決することができます。
例えば、AさんとBさん、BさんとCさんでそれぞれペイメントチャネルを持っているとします。AさんがCさんに送金したい場合、実際には繋がっていなくてもBさんのチャネルを経由して取引を行うことができるのです。この時、いったんBさんが暗号資産(仮想通貨)を預かる形になり盗まれるリスクがあるのではと考える人もいるかと思いますが、そういったリスクは暗号技術によって解決しており、信用がないユーザー間の取引を実現しています。
また、ペイメントチャネルではチャネルを作成した最初とチャネルを閉じる最後の取引記録のみがブロックチェーンに記録され、その間は何回でも取引が可能となります。取引の都度記録する必要がないため、取引にかかる時間と手数料を最大限に抑えることができるのです。
メインのブロックチェーンでは、1秒間に10件以内しか取引処理できませんが、ライトニングネットワークでは1秒間に数百万件以上の取引処理が可能となります。
ライトニングネットワークが世界的に普及すればブロックチェーンが抱えるスケーラビリティ問題の解決に繋がり、これまでになかった新たなサービスが生まれるなど暗号資産(仮想通貨)の幅が広がっていくでしょう。
・オフチェーンでの取引によりスケーラビリティ問題を解決するために開発された技術
・ライトニングネットワークのペイメントチャネルでは信用がないユーザー間の取引を実現
・ライトニングネットワークでは1秒間に数百万件以上の取引処理が可能